2006年08月06日

夏の思い出

summer_dream3.gif

河川敷での花火大会は家の近くだったのに、浮き浮き着せてもらった糊の効いた浴衣が汗で湿って足に纏わり、人ごみの中で見上げる打ち上げ花火の大輪が消えた後腹に響く音や、土手を渡して仕掛けられたナイアガラの滝が人気がなくなっても流れる残影が、草いきれの香や蚊に刺された痕と共に身に染みた。



金魚売りの「きんぎょ、きんぎょ、きんぎょぉ〜」を伴奏に金魚鉢が足取りでスイングし、覗くと目玉が大きく見える金魚の鱗が陽にきらめいて、子供心にもなまめかしく感じた。



冬季は餅屋になるアイスキャンティー製造所では、細い筒状の真鍮型の中に挿した割り箸がいつまでもベルトコンベアーで回り続けるのが不思議だった。暇があるとガラス越しに眺めていたので、箸がずれて出来損なったのを顔なじみの小父さんがそっと渡してくれ、舌先がしびれるまで頬張り頭頂をツーンとさせるのに病みつきだった。



蚊帳に入るには、コツがあった。裾を巻き上げ二三回上下させてから急いで入るのだ。蚊を追い払うまじないだった。蚊帳の中では、見慣れた部屋が親密な別世界に変化した。寄ると触ると口げんかをした妹ともしんみり語り合った。
posted by kako at 08:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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